20世紀における大事件の一つ、それがソ連の崩壊だ。事実上の国際共産主義の敗北宣言。そのソ連崩壊の主要要因が1981年に誕生するレーガン政権であった。レーガン大統領が掲げるSDI(戦略防衛構想)は、ソ連崩壊の決定打となった。
誰の目から見ても、レーガン氏が第40代アメリカ大統領として当選するには、困難な状況であった。既に70歳を前にしていた年齢。超がつくタカ派で極右。低迷するアメリカ経済に対して俳優出身のレーガン氏への経済運営能力に対する疑問視・・・など、当選には課題が多かった。このような状況下で、76年にニューヨークで発刊されたニューズ・ワールド紙は、後々レーガン氏の大統領当選にあまりにも大きな影響を及ぼすこととなる。
2期目を狙うカーター氏との選挙戦は、終盤までもつれる史上まれに見る大激戦であった。僅かにカーター氏が有利という報道がいくつかのメディアから流れていた。しかし、最終日まで予測のつかない大接戦となった。そんな歴史的な大統領選挙投票日当日の朝、ニューヨークの街は、衝撃的な朝を迎える。一面トップの大見出し「レーガン地すべり的大勝利」と文字を躍らせる新聞があった。ニューズ・ワールド紙だ。誰もが接戦を予想する中で、ニューズ・ワールド紙だけはレーガン氏の圧勝を大胆にも予想したのだ。“リベラル派の牙城ニューヨークでもレーガン氏勝利!”とまで載せる有様だった。
投票日当日の朝、レーガン氏はロサンゼルスでこれを見る。レーガン氏は、このニューズ・ワールド紙を持って得意満面に記者会見に臨んだ。その自信満々の威風堂々とした姿は、メディアを通じて全米に放映され、あたかもレーガン氏の当選が決まっているかのような錯覚に人々を陥れてしまう。開票の結果は、正に“レーガン氏の地すべり的大勝利”であった。538人の選挙人をめぐる争いは、489人の選挙人を獲得したレーガン氏の圧勝であった。いくらアメリカがメディア大国であるからといって、このニューズ・ワールド紙の賭けはあまりにも効果的な戦略であった。
ニューズ・ワールド紙はアメリカ国民を扇動し、レーガン氏をアメリカ第40代の大統領に導いたのである。あらゆる工作をしてレーガン氏の当選を阻止しようとしたソ連KGBの思惑は見事に打ち砕かれたのであった。そのニューズ・ワールド紙の創設者が文鮮明師である。そして、選挙投票日の前日、ニューズ・ワールド社社長を呼んで「レーガン地すべり的大勝利!」と一面に載せるようにと指示を出したのが、他でもなく文鮮明師であった。
レーガン氏の大統領当選は天命であり、その後の東西冷戦終結に大きな役割を果たすことを既に文鮮明師は知っていたのだ。KGB工作員の暗躍する選挙戦でレーガン氏の当選はソ連に衝撃を与えた。レーガン氏の当選の背後に文鮮明師があったことをクレムリンが知らぬはずもなかった。「恐るべき文鮮明・・・」クレムリンの主導者たちはつぶやいたに違いない。その日から10年後、世界赤化の夢を果せぬまま、70年をもたずしてソ連は崩壊することとなる。

